初めてメンタルクリニックの扉をたたいた

  • 雑多

きっかけは些細なことだった。

積み重なっていたものも要因としてある。

スタッフからの色々な要望、先生への取り次ぎ、だんだん苦痛になってこなせなくなっていた。期限があるものだけ何とか間に合わせていた感じで。

私生活では、次の日の朝が来ることが嫌で、ギリギリ寝落ちするまで起きていたり、仕事を終えて帰るのが億劫で、ただぼんやり職場のデスクに座っていたり、家に帰ってもろくに家事もせずボーッと動画を眺める、怠惰な日々を送っていた。

そんな数か月間を過ごして迎えたあの夜は、もう、翌日本当に仕事に行くのが嫌で眠りたくなくて、どうしようもない焦燥感を抱えて唸っていた。

デンさんが気付いた。

「どうしたん?」

勇気を振り絞って、「ごめんやけど、仕事に行きたくないねん」とだけ、答えた。

「とにかく休み」

眠い目を擦って起き上がったデンさんの、その言葉がわたしを救ってくれた。これ以上にない優しい言葉やったと思う。

自分の不甲斐なさから逃げているだけかもしれない、甘えているだけかもしれない。それでも、わたしの辛さを本音だと信じてくれたことが嬉しかった。暫く話を聞いてくれて、とにかく暫く休むために、一度はメンタルクリニックへ訪れたほうがいい、ってことになった。

ただ、ネットの情報を見る限りでは、自覚症状と照らし合わせるとさほど重篤でない気がしたので、正直、“何ともないのにしんどい言うてるって、その時の気分だけじゃね?” と診断されるのではないかという不安もあった。

でも、それはそれで今後の対策をまた考えたらいいというデンさんのアドバイスを胸に、ホワイトカラーなクリニックの扉をノックした。

…やっぱり、何だか場違いな感覚がしていた。

ここに訪れている、本当に悩んで苦しんでいる人たちに比べてもわたしは大したことないんじゃないかって、木のイラストを描きながら思っていた。なんていうか、白い紙にサラサラ描かれたフツーのオーソドックスな木、自分でも何も歪みもねじれも感じなかったからね。

で、診察中でも、一番の原因となった出来事を話して、真剣な顔で相槌をうってくれる先生に対し、わたしはなぜか
“わたしって、たいしたことないことを大袈裟に言ってるんじゃ…”
そう感じて、思わず、原因となった相手のことを庇う発言をしていたり。

なんか、綿菓子を食べているような感覚だった。フワッとして、中身のない…。

一応、診断名が何だったか忘れたけれど、仕事1カ月間休みましょうということで、診断書を書いてもらった。目的のものゲットできたけど、これでよかったのか、未だに違和感が半端なくある。

ただ現実、費用は高かった。

今回の診断書をもとに、明日、会社の上司と話をするわけだけど、丸1カ月休んだ方がいいのかどうか、いや、休んでいいのか迷うなぁ…。現時点ですごく迷惑かけているけど…

ちなみに、いろいろと心理検査を行ったんだけど、質問の意図がまったく理解できないものもあった。

尋ねられると、少なくとも5つの身体の部位を指さす

Vineland-Ⅱ検査

って、何?(汗) 「頭って言われたら頭を指させる」っていう意味? そうなんだとしたら、わたし“できない”って答えて失敗やったわ。

ま、こういうのって、時が経てばまた変化していくものかもしれないしね? 深く考えないでいこうっと。